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用語解説

溶存酸素濃度

1.DOとは

Dissolved Oxygenの略。溶存酸素の意味。 測定単位はPPM又はmg/Lで表します。(JIS規格ではmg/L)

2.PPMとは

Part Per MIllion の略。百万分の一の意味。mg/Lと同義語。1mgの酸素ガスが1Lの水に溶けていることを1mg/Lといいます。

3.1mg/Lの溶存酸素とは

約0.75cc(20℃)の体積の酸素ガスが1Lの水に溶解した状態を言います。 空気の温度が0℃では0.7ccの体積になります。(ボイル・シャルルの法則)

4.DOは水の温度により飽和溶解度が異なります。

例:純水、1気圧の状態で、20℃=9.09mg/L、0℃=14.62mg/L(工業排水試験法(JIS K0102:2016)飽和表参照)

5.DOは水(又は空気)の圧力によっても溶解度が異なります。(ヘンリーの法則)

圧力が1気圧のDO飽和溶解度が2気圧では倍になります(18.18mg/L) (水処理装置で深層バッキ式浄化槽は酸素の溶解度が高い)

6.DOは炭酸同化作用(光合成)によって増えます。

水中に水生植物や藻等が生息していると酸素が放出されDOが増えます。

7.DOの測定方法

ガルバニ電極法
酸素に対する透過性の高い隔膜(テフロン膜等)で、極と電解液とを溶液から隔離している。電極の材料として対極に卑金属を、作用極に貴金属を用い、電解液としてアルカリ水溶液 を使用するのが一般的である。このDOに比例した電流を測定し、濃度を測る。

ポーラロ電極法
作用極に貴金属、対極に銀、隔膜にテフロン系の膜、電解液に塩化カリウム溶液が通常用いられる。両極間に酸素の限界拡散電流を生じ電圧が印加され、隔膜を透過した酸素が作用極で還元され、 DO濃度に比例した還元電流が流れる。外部電源要するので、残余電流がでる。

8.DO測定時に流速が必要な理由

隔膜法では隔膜を透過する酸素は電極内部で消費されてしまう為、一定の流速を与えることで酸素を隔膜の内側に供給し続けなければならない。隔膜の厚みによって必要な流速は異なる。

9.エアーキャリブレーション(空気校正)とは

飽和DO値の設定に当たり飽和DO水を使わないで酸素分圧の等しい空気を基準として100%、又はmg/Lの設定を行う最も現場に適した設定方法。

10.DO測定時の良くある質問

Q1.バッキしているのに測定値がゼロを示す 溶存酸素の需要と供給のアンバランスに原因 バクテリアは酸素を呼吸源とし、有機物を食べて増殖し活性汚泥となります。バッキ槽に流入するBOD負荷(有機物)が多い場合、バクテリアは増殖し無限に酸素を必要とします。この場合、SV値が高い、MLSS濃度が高い等の現象で確認できます。

Q2.DO値が高すぎる
ばっき槽に流入するBOD負荷(有機物)が少ない場合、活性汚泥菌は食べる餌、栄養分がないので、いくら酸素を送っても増殖せず、活性汚泥菌の共食いが始まり、やがてバクテリアは消滅に至ります。従って、バクテリアは酸素をそれほど必要とせず、ブロアーからの総風量が一定とすれば、DO値は高くなります。場合によってはDOが過飽和になる場合もあります。

水素イオン濃度

1.pH測定方法

比色法 : リトマス試験紙、BTB、CR、PR等
電極法 : 水素イオン活量に相当する電位を示すガラス電極とpHに無関係に 常に一定の電位を示す比較電極 (参照電極)とから構成され、 両電極間に発生した電位差を電位差計で測定する方法である。

2.pH電極の感度チェック方法

pH7とpH4、又はpH9の標準液にpH電極をそれぞれ浸けて pH計のモードをmVにして下記の数値の 範囲内で正常です。
pH 7 : 0±25mV
pH 4 : 160±25mV
pH 9 : -120±25mV
この範囲外の場合は電極内部液交換、液絡部、ガラス膜の洗浄等 を実施して下さい。それでも電極性 能が回復しない場合は電極の 寿命であり、交換が必要になります。

3.pH電極の周りが白くなる

内部液の塩化カリウムの結晶が乾燥して付着するもので 異常ではありません。 水、またはぬるま湯に電極を入れれば結晶は溶けます。

4.pH電極の寿命は

使用する検液の種類、使用状態、保存状態等により異なり ますので規定はありません。 電極は消耗品です。

5.なぜ、ORPを計るか

有機排水の場合、排水処理の窒素硝化反応、COD等の挙動 を知る上での重要な指標を求めるために計ります。 KRK製のpH計(KP-10Z)は一つの電極で、 pHとORPを測定できます。

6.比色法と測定値が異なる

比色法によるpH測定値はガラス電極式pH計による測定 値より通常低く測定されます。オゾンや残留塩素の存在 する水のpH比色測定は不可。

7.油、有機溶剤、 アルコール等のpH測定はできるか

水素イオンの溶けている状態が水溶液とは異なるので これらの非水溶液のpH測定は不可。

塩素イオン

1.塩化物イオンをなぜ測定するのか

塩素イオンとは水中に存在する塩化物を言う。塩化物は主として生活排水中に含まれ、特にし尿には塩化物が多量にあるので、し尿を多量に含む下水は塩化物イオン濃度が高い。塩化物イオンの濃度は汚染の一つの指標となります。人間のし尿には約5500mg/Lの塩素イオンが含まれています。浄化槽の放流水の塩素イオンを測定することによって希釈倍率を求めることができます。

2.塩素イオンの測定方法

1)硝酸銀滴定法(モール法)
高価な硝酸銀溶液と有害なクロム酸を使用する。滴定に時間がかかり、又硫化物の影響があります。

2)塩素イオン電極法(CL-10Z)
塩素イオンに感応する塩化銀の固体結晶膜を使用した塩素イオン電極による測定方法は測定が簡単で迅速に正確な測定値が得られます。測定時はイオン活量強度や流速の影響を除去するためにマスキング剤(ISAB)を検水に2%容量添加して校正と測定をします。塩素イオン電極法はJIS法に採用されています。

3.塩素イオンの測定用途

浄化槽放流水:放流水の塩素イオンを測定することでし尿の希釈倍率を求めることができます。

生コン塩分測定:生コンに海砂等を使用するとコンクリートの劣化が進行し、建造物の劣化の原因になるので適切な塩分測定と管理が必要。

食品、化学分野:製品の開発実験、品質管理のための塩分測定等。

4.塩素イオン電極の寿命は

使用条件によっても電極の劣化の程度は異なりますが、適切な保守管理をする条件で寿命の目安は1~3年位。イオン電極は基本的に消耗品です。電極の保守として銀電極の表面の酸化被膜や汚れはサンドペーパーで定期的に研磨、清掃する事とセラミック液絡部を常に湿った状態に保管する事が望まれます。

5.塩素イオン電極で残留塩素が測定できるか

塩素イオンは水に溶解した塩化物であり、残留塩素は次亜塩素酸ナトリウム等に代表される酸化性の殺菌剤のことであり塩素イオン電極では測定できません。

汚泥濃度

1.MLSSとは

Mixed liquor Suspended Solidの略。
バッキ槽内の活性汚泥浮遊物質を意味し管理上重要な測定項目。基本的には重量法で測定しますが、時間がかかり、操作も煩雑です。SS-5Zは検出器を槽に入れるだけで、すぐに正確な測定ができます。 標準活性汚泥ばっき槽の場合、約1000~3000mg/Lの濃度が維持管理の目安 とされていますが、流入BOD負荷 (濃度と流量)や処理槽の容積又は処理方式によって管理目標値が異なります。 MLSS濃度の最適運転目標値はその排水処理設備の内容と長期の維持管理で得た管理技術者の高度な管理技術 に依存しなければなりません。MLSS計(SS-10Z)は、ばっき槽の汚泥濃度管理の必需品であると言えます。

1-1.MLSSの測定方法は遠心分離法、ガラス繊維ろ紙法、透過光測定法、前方散乱反射光測定法等があります。

1-2.MLSS計(透過光式)測定原理
投光部に近赤外LED、受光部に近赤外受光素子を配置した検出器が汚泥濃度に比例して変化する光量の電気信号を演算増幅してMLSSとして表示します。透過光式の弱点として、色が濃く、高濃度のMLSSを測定した場合、うまく測定できない恐れがありますので一度ご相談ください。この検出器に水圧センサーを配置すると水深測定ができ(SS-10Z)沈殿槽の汚泥界面や濃度も測定できます。 (実用新案、意匠登録)

1-3.KRK製のMLSS計は外部光の影響を受けにくい
近赤外光LEDのパルス点灯⇒近赤外光のみを受光する受光部で外部光の影響を少なくし、 又、検水の色調の影響を受けにくくなっています。

1-4.MLSS計の校正
携帯用MLSS計(SS-10Z/SS-10F)は汚泥の種類によって検出器の光学特性が異なるために汚泥の種類毎にKRKが規定してリニアライズした測定モードをユーザーが自由に選択して使用することができます。例えば、食品モード、牛乳モード、合併浄化槽モード、下水処理モード、し尿処理モード、濃縮汚泥モードなど。通常このどれかのモードの選択でMLSS濃度を許容誤差範囲内で測定できます。又、1~4点迄の校正機能が内蔵されていますので、お客様独自の設定を行うことができます。この場合、汚泥の手分析(遠心分離⇒乾燥⇒重量測定法)をお客様が行い独自の汚泥特性に校正します。

1-5.MLSSの手分析ができない
のような場合、予めお申し出があった場合のみ、お客様のサンプル汚泥を弊社に送ってもらい、汚泥の分析調査と、MLSS計の校正を弊社にて代行して行い、最適な条件に計器を調整してお客様にお届けする特別なサービスを実施することができますのでお問い合わせ下さい。

1-6.MLSS検出器の破損、故障した場合
検出器の光学部はプラスチックですが、落下等の衝撃から検出器を保護するためにステンレスカバー(SUS-304)が標準付属しています。さらに万一の場合に備え衝撃を吸収する耐薬品性シリコンカバーをステンレスカバーの外側に標準付属してありますので、衝撃から検出器を保護するためにダブル衝撃防止機能付きです。 しかしながら、検出器は落下、衝撃を与える性質のものではありませんので、丁寧な御使用をお願いします。

1-7.MLSS計の防水性(SS-10Z/10F) 検出器は完全防水構造です。又、計器は検出器を取り付けた状態でIP66準拠の防水性を有しています。
又、計器と検出器を接続するコネクタープラグは防水構造になっていますので雨天の場合でも安心して使用できます。

1-8.MLSSを連続測定したい。
MLSS計 SS-10Zは携帯用で、長時間、検出器をばっき槽に浸漬して連続運転することは避けて下さい。長時間測定する場合はSS-10Fを御使用下さい。(30分でオートパワーオフになります) 連続測定用の工業用MLSS計として伝送出力(DC4~20mA)付きの機種を用意していますのでお問い合わせ下さい。計装パネル取付型 MC-502Z:0~20000mg/L /現場指示計型 MC-700:0~20000mg/L

濁度

1.濁度とは

濁度とは水の濁りの程度を示すものである。

2.濁度の比較対象の標準物質

2-1.ポリスチレン濁度標準
平成15年 厚生労働省、水道法水質基準に関する省令改正(101号)で濁度標準に5種混合ポリスチレン系粒子懸濁液が適用されました。測定単位はmg/Lでなく“度”となります。

2-2.カオリン(白陶土)濁度標準
カオリン(白陶土)の均一粒子を精製して調整した濁度標準液。測定単位はカオリン濁度 mg/L(度)

2-3.ホルマジン濁度標準
水中に分散したホルマジンポリマーの粒子はカオリン粒子に比べて粒子が均一で分散性がよく、安定した濁度標準液。測定単位はホルマジン濁度 NTUまたは、FTU(度)

3.濁度測定方法

3-1.透 視 比 濁 法
比色管、透視比濁度用暗箱と濁度標準液を使用しての目視で透視比濁する濁度測定方法

3-2.透過光測定方法
光電光度法の一つで水中に一定の光が入射すると濁度粒子に反射、散乱して透過光が光路長と濁度の濃度に比例して減ります。この透過光を測定することで濁度を求める測定方法。

3-3.散乱光測定方法
投光部に90度の角度に配置した受光部で校正された光学系の濁度検出器に濁度物質を含む検水が存在すると、濁度に比例した散乱光が発生するので、この散乱光を測定することで特に低濃度の濁度を感度良く測定することができます。

3-4. 積分球式測定方法
光が濁度粒子によって生じる散乱光量を積分球で測定すると共に全光量を測定してその比率から濁度を求める方法。

3-5.粒子計測法
レーザー光を利用した特に低濃度専用濁度計に適用される。

3-6.表面散乱光測定法
光学測定部が検水に無接触なので光学窓ガラスの汚れによる測定誤差の心配が少ない。低濃度から高濃度まで直線特性で精度良く測定できる。

4.濁度計でSS濃度を測りたい

SSの語源はSuspended Solidの略で浮遊物質の意味である。 光学的な濁度計とSS濃度の関係は一定ではないので相関関係を求めて相関性が高い場合は濁度の測定値からSS濃度を求めることができる。

5.濁度計とMLSS計の違い

MLSS計は通常1000~20000mg/L位の汚泥濃度を透過光で測定しているので、広い意味で高濃度濁度計であると言えます。MLSS計は汚泥濃度専用測定器であるので、慣習的にMLSS計と呼ばれて、濁度計とは分けています。濁度計は通常100度以下、又は1000mg/L以下の低濃度側の濁度測定の場合慣習的に濁度計と呼ばれているようです。

6.濁度計のメンテナンスについて

低濃度側測定の濁度計はプローブ型検出器の場合は投光部、受光部の窓ガラスの汚れ、ガラスセルの場合はガラスセルの汚れが測定精度に敏感に影響するので常にガラス窓は綺麗に清掃してしようしなければならない。

色度

1.色度とは

ここで、色度とは、水中に含まれる溶解性物質及びコロイド性物質が呈する類黄色ないし黄褐色の程度をいいます。色度1度とは、精製水1Lに塩化白金酸カリウム中の白金1mg及び塩化コバルト中のコバルト0.5mgを含むときの呈色に相当するものです。「色」と「色度」とは別個の概念です。「色」はスペクトル組成の異なる光に対し視覚が感じる色調であり原則として「外観」の項によって測定する。「色度」は塩化白金酸コバルトの類黄色を標準列として比較する程度です。比色法で表す「色度」は標準列の類黄色との目視による比較であり、透過光測定法での「色度」は、類黄色を390nmの吸光度で比較します。

2.色度測定方法(JIS)

検水100mLを濁度用比色管に採る。別に、色度標準液0、1.0~20mLを段階的に数個の濁度用比色管に採り、各々に精製水を加えて100mLとし、これを標準列とする。次に、これらを白紙上又は反射板を白色にした透視比濁用暗箱にいれて、濁度用比色管の上方から透視し、検水の色を標準列の色と比較して、該当する色度標準液のmL数(a)を求め、次式によって試料の色度を算出する。
色度(度)=a×1000/検水のml×0.1
※試料が濁っている時は濁りを除いたものを検水とする。

3.簡易色度測定方法<透過光測定方法>

CR-30 : 水中に含まれる溶解性物質、及びコロイド性物質が呈する類黄色ないし黄褐色の程度を吸光光度分析法により波長390nm付近で吸光度を測定する方法である。

TCR-30 : 水中に含まれる溶解性物質、及びコロイド性物質が呈する類黄色ないし黄褐色の程度を吸光光度分析法により波長390nm付近で吸光度を測定する方法である。濁度を同時に測定し、濁度分を補正して色度を測定しているので高精度に色度の測定ができます。

TCR-5Z : 計器と検出器が一体化され、片手で操作できる濁度・色度センサー 。計器と検出器は分離されたケーブルで接続された濁度・色度センサーです。濁度と色度を一本のプローブ検出器で測定器し、同時表示されます。採水測定、没水測定、連続測定できます。

4.連続式色度モニター:(透過光測定方式)

CR-502:水中の色度を連続的に測定します。 TCR-502:水中の色度と濁度を連続的に測定します。

透視度

1.透視度とは

透視度は比較的高濁度の試料水を測定するのに有効で、主に採水現場で濁度のかわりに測定します。河川水や原水の濁りの程度の指標になります。

2.透視度測定方法

A:透視度法(AT-1~3、JT-2~3) 透視度とは、透視度計に検水を入れて上方から水層を透視したとき、底部の標識板の二重十字が明らかに認められるときの水層の高さをいい、検水の透視度から濁度に換算することも可能です。 本法は、比較的高い濁りの試料水の測定に適するが、測定者の視力、測定場所の明るさ、試料水の着色が測定値に影響します。

B:透過光吸光光度法測定 (TP-30) 透視度センサーのスパン校正する正式な標準液を定義することは困難であります。吸光光度法は不特定多数の検水の場合、検水の性状、SS、色相等の影響で目視法の透視度と異なってしまう場合があります。 TP-30は近赤外光、パルス点灯式の透視度検出方法を採用しておりますので比較的にこのような外的影響を受けにくい構造ではありますが、完全に影響をカットすることはできません。どうしても目視法透視度測定値にTP-30の指示値を一致させて求める場合は、検水ごとに校正して頂くことになります。もしくは検水ごとにTP-30の指示値と目視法透視度との相関係数を求め、計算して求めてください。

残留塩素/有効塩素

1.残留塩素とは?

残留塩素とは、塩素処理の結果、水中に残留している有効塩素をいいます。 次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンなどの遊離型有効塩素を遊離残留塩素、モノクロラミン、ジクロラミンなどの結合型有効塩素を結合残留塩素といいます。結合型残留塩素の殺菌力は遊離残留塩素に比較すると弱い。結合残留塩素は全残留塩素と遊離残留塩素の差から求められます。

1-1.残留塩素の測定方法

A:DPD法(DP-3F、DP-1Z)
残留塩素がDPD試薬と反応すると桃~桃赤色に呈色します。この色調変化を標準比色列と肉眼での比色測定を行うか又は光学的な吸光光度計で測定します。DPD法ではアルミニウムイオン 4mg/L、銅イオン2mg/L、鉄イオン 3mg/L、亜硝酸性窒素 1mg/Lまでは妨害を受けないとされています。DPD試薬は、SDSの国連の定義上有害危険物には該当しません。遊離残留塩素は発色操作後、1分以内に測定してください。全残留塩素測定の場合は発色後、2分程度経過してから測定してください。

B:オルトトリジン法(OT-1Z) 残留塩素がpH1.3以下でオルトトリジンを酸化して、淡黄色~黄褐色に呈色します。この色調変化を標準比色列と肉眼での比色測定を行うか又は光学的な吸光光度計で測定します。オルトトリジンは、SDSの国連の定義上有害危険物には該当しませんが、動物実験では発がん性があるとされています。なお、オルトトリジン法は、水道水質測定項目の検査方法で平成14年4月1日より削除されました。

C:電流(滴定)法 残留塩素がヨウ化カリウムと反応すると、ヨウ化カリウムは酸化してヨウ素を遊離します。この遊離したヨウ素を還元剤で滴定します。残留塩素が含まれた検水中に電流滴定器の電極部を浸すと、遊離したヨウ素などの酸化性物質が含まれている場合には直流電流が流れます。この検水に還元剤を入れていくと、徐々に電流値の降下が見られなくなった点がこの滴定の終点であり、この滴定に要した還元剤の量から残留塩素の濃度を計算することができます。

2.有効塩素とは

残留塩素と有効塩素は同義語で、ここでは高濃度全残留塩素を低濃度残留塩素と区別するために有効塩素と称します。高濃度残留塩素水は次亜塩素酸ナトリウムの希釈等で使用される例が多い。

2-1.有効塩素の測定方法

A:ヨウ素滴定法
有効塩素を含む検水を弱酸性にしてヨウ化カリウムを加え、ヨウ素を遊離させます。そのヨウ素をデンプンを指示薬として、還元剤であるチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、その滴定量より、検水中の有効塩素濃度を求める測定法で滴定器、試薬4種類、フラスコ等の器具が必要で、測定には熟練を要します。

B:コンパレーター型比色測定法(Cl2-1Z-H、RC-7Z)
有効塩素を含む検水に粉末パック試薬を加えると有効塩素に比例した色調を呈します。この色調の変化をコンパレーター型目視比色計で測定します。

C:デジタル比色測定法(RC-3F)
有効塩素を含む検水に粉末パック試薬を加えると有効塩素に比例した色調を呈します。この色調の変化を吸光光度法比色計で測定し、デジタル表示させます。

D:電気化学的測定法(サイクリックボルタンメトリー法)
連続測定用に最も適した測定方法で0~300mg/L迄安定して測定することができる各種残留塩素計を用意しています。(関連製品:RC-100A、RC-301Z) 海水用の残留塩素モニター(RC-100L)、浄化槽放流水用の全残留塩素モニター(RC-100Z)、等々用意しております。

オゾン

1.オゾンとは

オゾンは酸化力が強く、有機物質の不飽和結合を切断する能力があります。このため、不飽和結合を有する臭味物質の分解、生物難分解性有機物質の生物易分解性化や染料等の着色物質の脱色に用いる。その他、除鉄、除マンガン、ウイルス不活化、殺菌、殺藻にも用います。刺激臭のある有毒ガスであり、オゾン処理後に排気される残存オゾンは排オゾン処理工程で処理する必要があります。

2.溶存オゾンの測定方法

A:ヨウ素滴定法
酸化物全般の基本的定量法として確立された測定方法ですが、4種類の試薬とビュレットや、その他の滴定用器具が必要です。多少熟練が必要です。

B:紫外線吸光光度法(OZ-502)
紫外線吸光光度法で溶存オゾン濃度を連続的に測定することができます。有機物の少ない上水等の連続測定に最適です。

C:隔膜電極法(OZ-301)
隔膜式、ポーラロ電極法で溶存オゾン濃度を連続的に測定できます。妨害イオンが少なく有機物の共存した検水測定も可能です。

D:比色法(O3-3F)
オゾンを含む検水に試薬を加えて、発色を呈した検水を比色計で簡単に測定できます。(注意)残留塩素等の酸化剤は測定を妨害するので共存不可です。 粉末パック試薬を使用するので操作が簡単、且つ試薬の保存性が良い。

UV計(紫外線吸光光度法)

1. UV計とは

UVとはUltra Violetの略で、紫外線のことである。即ち、水中に存在する有機汚濁物質は紫外線を吸収することから通常254nmの波長で吸光度を測定して排水の有機汚濁物質の濃度を求める場合に利用される。水質総量規制においてCOD(化学酸素要求量)を迅速に求める為にUVモニターで手分析値(JIS法:過マンガン酸カリウム法)との相関を求めて使用します。相関係数は1.0に近いほど理想的で、0.7以上であることが望まれます。

2. 濁度補正について

検水に濁りや濁度成分がある場合は同時に測定される可視光線 546nmの波長で濁度のみを測定しUVでの吸光度から濁度分を引くことでCODだけを求めることができます。

3. 測定セルの汚れ対策

測定セルに汚れが付着すると、見掛けの測定値(吸光度)が高く測定されます。これを防ぐ為に内蔵されたワイパー洗浄では除去できない粘性の汚れが付着する場合は薬液洗浄装置を追加使用して塩酸やアルカリ薬液を洗浄インターバルに同期して自動注入することで高い洗浄効果を得ることができます。その結果、長期にわたって安定したCOD測定が可能になります。

4. UVランプの寿命は

水銀ランプは消耗品になっています。交換の目安として精度良く、安定して測定する為に約1年に1回交換を推奨しています。実際に水銀ランプの劣化時期は1年以上、2年位ですが、劣化の状況に応じて計器正面のランプ警報表示が点灯しますので、ランプ交換を行ってください。

5. 検出器のオーバーホールについて

信頼性のある測定値を得る為に約1~2年に1度の検出器のオーバーホールを推奨しています。オーバーホールとは光学系の分解、清掃、洗浄装置部調整、フィルター、測定セル等の洗浄や調整であります。作業を迅速にするために光学系の等価交換を提案します。

6. 等価交換とは

1回交換を推奨しています。実際に水銀ランプの劣化時期は1年以上、2年位ですが、劣化の状況に応じて計器正面のランプ警報表示が点灯しますので、ランプ交換を行ってください。

7. 検出器のオーバーホールについて

予めオーバーホールが完了している光学系をこれまで使用されて劣化した光学系と交換する方式です。この方法のメリットは光学系の交換が短時間ですむために測定できない時間が短時間で済み、メンテナンス費用が大幅削減できます。遠隔地のユーザーはこの方法を採用することで保守の心配なく安心して使用することができます。

フッ素イオン計

フッ素イオンとは

例えばフッ化カルシウム、フッ化ナトリウムが水に溶解すると加水分解によりフッ素イオンが水中に遊離して存在します。温泉地帯の地下水や河川水には多く含まれることがあります。又、半導体工場等でのフッ酸処理水にも多くのフッ素イオンが含まれて河川に放流される場合があります。フッ素イオンは水質汚濁防止法で工場で濃度の適切な処理と測定が必要とされています。

フッ素イオンの測定方法

イオンクロマト法、吸光光度法、イオン電極法がありますが、イオン電極法は操作が簡便で迅速な測定が可能になります。

イオン電極法とは

水中のフッ素イオンに選択的に応答するフッ化ランタン固体膜を使用したフッ素イオン電極は 0.1~10000mg/L位までのフッ素イオン濃度に比例して対数直線的に濃度出力信号が出力されます。この電極信号を演算増幅⇒デジタル表示してフッ化物濃度を測定することができます。測定時はイオン活量強度や流速の影響を無くす為にマスキング剤(ISAB)を検水に約2%容量を加えて校正と測定をすることが望まれます。但し、本イオン電極法は水中の遊離状態のフッ素イオン濃度が対象です。結合した状態の全フッ化物濃度はそのままでは測定できませんので別途に蒸留操作が必要になります。フッ素イオン電極法はJIS法等に採用された測定方法です。

フッ素イオンの電極寿命は

使用条件や保管状態により電極の性能劣化の程度は異なりますが、寿命の目安として1~3年位。イオン電極は基本的に消耗部品です。電極の保守として、常に汚れを拭き取り、セラミック液絡部は湿った状態にして乾燥させないで下さい。もし乾燥した場合は、ぬるま湯に24時間程度電極を浸して十分に電気的に導通するようにしてから測定が必要です。

妨害イオン特性(フッ素イオンに対する濃度比率=選択係数)

Al3+、OH- ・・・・・・・ 1/10 Fe       ・・・・・・・ 1 Ca       ・・・・・・・ 100 I-、Br-、Cl-、NO3- ・・・・・・・ 1000

フッ素イオン電極、妨害イオン対策

アルミニウム、鉄(Ⅲ)、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、OH-等のイオンが溶液に共存すると、錯体を形成し、フッ素イオンが妨害されてしまう。特に、鉄、アルミニウム、水酸イオン(OH-)が問題とされています。そこで、これらの妨害イオンを除去する手段として、マスキング剤(TISAB=Total lonic Strength AdjustmentBuffer)を検水に連続的に添加する方法を検討しなければなりません。

電導率計

電気伝導率とは?

電気伝導率(比電気伝導度又は導電率ともいう)とは、断面積1cm2、距離1cmの相対する電極間にある溶液の25℃における電導度をいい、ジーメンス(S)/cm又はマイクロジーメンス(μS/cm)で表す。電気伝導率は、水中に含まれる陽イオン、陰イオン合計量に関係があり、原水への下水、産業排水、海水の混入の推定や、給水栓水の配水系統の違い、クロスコネクション、漏水の判定などに利用できます。

測定時の注意点

電気伝導率は水温1℃の上昇に比例して約2%増加する。また、同一水系の水では、pH5~9の範囲で溶解物質に近似的に比例し、電気伝導率と溶解性物質との比は1:0.5~0.8 の範囲であることが多い。迅速に測定できるため、他の試験に先立って実施すれば、以後の試験に役立ち便利である。

測定原理

電極法
断面積1cm2、距離1cmの相対する極板を有する一定の形状構造をもつ電極セルを検水中に浸し、極板間に一定の交流電圧をかけたときに検水の電気抵抗によって生じる電圧の変化から電気伝導率を求める方法である。電極法は長期の測定において電極の分極や汚れの付着により測定の精度に影響があるので定期的な電極の洗浄や校正が必要になる。一方、電磁濃度計検出法は電気的に検水と無接触なので汚れや分極の影響がない。

電磁濃度計

電磁濃度とは

電磁誘導式濃度検出器は耐薬品性のPVC等の材質のケース内にトロイダルコイル、及び、プリアンプが配置されています。今、この検出器を導電率性の水溶液に浸漬させると、水溶液の濃度/導電率に比例した誘導電流が流れます。この電磁濃度検出器は電気的に検水と非接触なので検水の汚れや色、浮遊物質等の影響を殆ど受けずに、水溶液の濃度を連続的に測定出来ます。

電磁濃度計の適用

薬品、塩類濃度等の測定(例:海水濃度、食塩濃度、硫酸銅、フッ酸、硫酸、カセイソーダ、硝酸、リン酸ナトリウム等)

測定単位について

導電率:mS/cm、重量比:%、重量:g/L、海水:%

電磁濃度計検出器取付に関する注意事項

①検出器の取付に当たっては、電極の周囲5cm以内には遮蔽物を置かないで下さい。
②電源をONにして電極を検水、または標準液に入れて30分以上回路及び表示の安定を待ってから校正及び測定して下さい。
③気泡の発生する場所には絶対に取付ないで下さい。表示が不安定になります。
④水層には必ず液アースを取ってください。電磁ノイズによる計器表示の不安定を防止する為です。
⑤校正、及び測定時は必ず同じ条件で行ってください。

保守点検

EMC-502は電磁誘導式検出器は電気的に検水と無接触なので手入れは不要ですが、長期の使用においてケーブルと検出器間の防水構造が何らかの原因で破損したりケーブルが断線する場合がありますので、検出器の取付は充分注意して下さい。また、検出器は自動温度補償回路方式を採用していますが、測定精度をより一層向上させるためにできるだけ一定温度でご使用ください。急激な温度変化(±10℃以上の場合)を与えると指示が大きく変動する場合があります。本検出器は万一破損や故障した場合は修理が困難である為消耗品としてご理解をお願いします。

COD/BOD/TOC

1.CODとは

水中に含まれる有機物質量の指標の一つ。化学的酸素要求量のこと。CODとは、水中の被酸化性物質が酸化剤で化学的に酸化されるときに消費される酸化剤の量を対応する酸素の量で表したものです。酸化剤として、過マンガン酸カリウムや、重クロム酸カリウムを用います。

2.測定方法

2-1.酸性法
硫酸酸性にした検水に過マンガン酸カリウム溶液を加えて煮沸すると、検水中の被酸化性物質は酸化され、過マンガン酸カリウムが消費される。 しかし、その反応速度は被酸化性物質の種類によって異なるので、本試験方法では、煮沸時間を5分間と限定している。

BODについて

水の汚濁状態を表す有機汚濁指標の一つ。生物化学的酸素要求量のこと。水中の還元物質が、微生物の呼吸作用により酸化される際に消費される酸素量。通常20℃、5日間で消費された溶存酸素量をmg/Lで表す。硝化細菌が多く増殖し、 硝化の進んでいる試料では、通常のBODの測定により得られる値(標準BOD)は、有機物質が生物化学的に分解され安定化するために要する酸素量(C-BOD)と、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素が硝化細菌により酸化されるために要する酸素量(N-BOD)の和である。
標準BOD=(C-BOD) + (N-BOD)

TOCについて

有機汚濁指標の一つ。全有機炭素とも言う。水中に存在する有機物質中の炭素量をmg/Lで表したものです。 測定には主に燃焼-赤外線分析法が用いられます。少量の試料を高温(900~950℃)で燃焼させ、発生した二酸化炭素量を測定し、全炭素量を求めます。別の試料を有機物質が分解されない温度(約150℃)に保ち、生成した二酸化炭素量を測定し、無機炭素量を求める。全炭素量から無機炭素量を引いた量をTOC量とします。

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